『フラガール』 [映画]


なんて優しい映画なんだろう。これが、『フラガール』を観た時の印象。
【愛が全面的に溢れてる映画】という感じがした。
今も福島県いわき市にあるアミューズメント【スパリゾートハワイアンズ】。
この【スパリゾートハワイアンズ】の前身である、【常磐ハワイアンセンター】をオープンするべく、
奮闘する人達を描いた実話。
昭和40年、福島県いわき市に住む人々は、代々炭坑の仕事をして生活している。
この炭鉱町では、大幅の人員削減があり、かつての活気を失っていた。
その時、この街を救うために常夏の楽園、ハワイアンセンターを作る大プロジェクトが持ち上がる。
プロジェクトに反対する人、プロジェクトをなんとしてでも成功させたい人。
いろいろな思惑が、街の人たちの心に宿る。
果たして、無事に【常磐ハワイアンセンター】がオープンするのか!?
登場人物が、全員とても魅力的。
誰1人悪い人は出てこない。皆が生きる為に必死に頑張っている。
そのせいで起きる確執や葛藤など、様々な問題が起きていく。
そして1人1人の心の中にもいろいろと変化が起きるのだ。
どのシーンも登場人物の描写が温かい、とても素敵な映画だった。
こういった作品が日本で製作されるのは、とても嬉しい事だと思う。
監督:李相日
出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優
山崎静代(南海キャンディーズ)、岸部一徳、富司純子
池津祥子、徳永えり、三宅弘城、、志賀勝、高橋克実、寺島進
『ある子供』 [映画]

大人になりきれない10代の男女に子供が産まれる。
親として責任を持って生活していこうと考えている女と、我関せずの男。
定職にも就かず、その日暮らしをしている男が、
金の為に軽い気持ちで起こした行動から、2人の生活がガラッと変わっていく。
主演の男女2人が送っている生活は過酷だ。
親との交流もなく、仕事もなく、貧しさとともに生活する日々。
今を生きる事に精一杯で、先の事などまったく見えない。
そんな中で、突然新しい命に触れ、子供達は戸惑う。
この映画は、カンヌ映画祭パルムドールを受賞した作品。
【ある子供達】が、ちょっとだけ大人に成長する過程を追った、ドキュメンタリーのような作品だ。
監督は、『ロゼッタ』でもカンヌ映画祭パルムドールを受賞した、
ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ 兄弟。
主人公を追って紡ぎ出す、物語の手法は変わらないが、
私は、『ロゼッタ』よりもわかりやすいと思った。
1人の人間が大人になる事、親になる事・・・私達にとって、とても普遍的なテーマだからだ。
ベルギーでは、若年層の失業率が高いのだそうだ。
世界中に共通する若い主人公2人の苛立ちを感じて欲しいと思う。
彼らの将来に希望が見える事を願わずにはいられない・・・。
監督・脚本:ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ
出演:ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ
http://www.bitters.co.jp/kodomo/
『胡同のひまわり / 向日葵』 [映画]

北京には【胡同(フートン)】という、路地がある。
そこには、【四合院(スーフーユアン:しごういん)】という、中国の昔からある民家が多数あり、
多くの人達が関わりあいながら生活を送っている。
1つの中庭を取り囲むように建った建物には4世帯が住み、皆まったくの他人。
しかし、皆が共有している中庭などで、本当の家族のように協力して日々を送っているのだ。
日本にも、昔にあったほのぼのとした情景。
中国では現在、こういう古き良き建物が取り壊され、あらゆるところにビルが立ち並んでいる。
この光景は、とても寂しい限りだ。
この『胡同のひまわり』は、1つの家族を通して中国の30年間の移り変わりを描いた作品だ。
画家になりたかった父は、文化大革命の歴史の波に飲まれ強制労働をさせられて帰ってくる。
この労働のせいで、2度と筆を持つ事ができなくなってしまった。
遊ぶ事に一生懸命な息子、向陽(シャンヤン)は、いたずらが楽しい時期。
そんな息子を見かねて、子供の意思を聞かず無理やり絵を描かせるようになる。
この出来事から、父親と息子の間には30年にも渡る葛藤が始まるのだった。
中国は、日本以上に家族の関係が密接。
それだけに、親子の確執という問題は日本よりも重い意味を持つのだ。
昔の日本でも当たり前だった、強い父に優しい母。
そして、良い時は褒め、悪い事をした時に叱るという当たり前の行為。
現代社会で家族の関係が崩れてきてしまっている今、
この映画が上映される意義はとても大きいと思う。


また、息子・向陽が大人になって描いた絵として映画内に登場する作品は、
中国現代アートを代表する張暁剛(ジャン・シャオガン)の作品であり、
その絵が展示してあるのは、中国・北京に実際ある「北京東京芸術工程」という場所である。
話題のスポットが映画内で観られるのも、とてもお得な作品だ。
監督:張楊(ジャン・ヤン)
出演:陳冲(ジョアン・チェン)、孫海英(スン・ハイイン)、
張凡(ジャン・ファン)、高歌(ガオ・グー)、王海地(ワン・ハイディー)、
劉子楓(リュウ・ズーフォン)、張玥(ジャン・ユエ)、梁静(リャン・ジン)、李濱(リ・ビン)
『RENT』 [映画]

1996年にアメリカ・ブロードウェイで上演された伝説のミュージカル。
脚本・作詞・作曲を手がけたジョナサン・ラーソンは、
自身の周りにいる友人などをモデルに登場人物を描き、ロック中心の楽曲も制作。
しかし、プレビュー公演の前日に35歳という若さで病気で亡くなり、
自身の制作した公演を客席で観る事はなかった・・・。
人間は、ただ生きているだけで幸せ。
この作品に登場する人物は皆、貧しくても懸命に生きている。
エイズにかかっていても、同性愛者であっても、友人を信じて助け合って生きているのだ。
生きていくのは難しい。でもどんな困難が起きても、瞬間を懸命に生きる事が大事なのだ。
そんな素敵なメッセージが盛り込まれた作品が、映画化された。
キャストは、2人を除いて舞台のオリジナルキャストと一緒。
長年演じてきた役を、皆伸び伸びと演じている。
魅力的なキャスト陣を観ているだけで、幸せになる作品。
そして素敵な歌の数々に、酔いしれる事ができるのだ。
台本・作詞・作曲:ジョナサン・ラーソン
監督:クリス・コロンバス
出演:アダム・パスカル、アンソニー・ラップ、ロザリオ・ドーソン
ウィルソン・ジェレマイン・ヘレディア、ジェシー・L・マーティン、
イディナ・メンゼル、トレイシー・トムズ、テイ・ディグス
『TATARI』 [映画]

1950年代に映画化された『地獄へつゞく部屋』のリメイク。
これは、【TATARI】というタイトル通り、ホラー映画。
「一晩無事に生き残れたら1億円」というキャッチフレーズに引かれ、
人体実験が行われた廃墟病院に集まった男女5人。
その館の中で、彼らは次々と恐ろしい体験をする。
この映画は、ロバート・ゼメキス&ジョエル・シルバーが設立した
ホラー映画専門製作会社、ダークキャッスル第1回作品という事で、キャストが凄い!
ジェフリー・ラッシュ、ファムケ・ヤンセン、テイ・ディグス、アリ・ラーター、
ピーター・ギャラガー、ブリジット・ウィルソンなどなど。




私は、好き好んでホラー映画を観る事はないけれど、
今回はメンバーが凄いので観てみる事にした。
やっぱりね~。予想通りつまらない・・・。なぜなら目新しさがないから。
わざと観客を驚かせる為に、お金をかけて気持ち悪い映像なども使っているのに、んー。
こんなに豪華なキャストなのに、正直もったいないなぁ。
やっぱりプロデューサーが有名だと、一声で集まってしまうのね。
こんなに演技ができる役者が揃うなら、内容がしっかりしたドラマなど
いろいろ優れた作品ができたのに・・・。とても残念。


アリ・ラーターは『ファイナル・デスティネーション』で有名になったけれど、
この『TATARI』に出演しているブリジット・ウィルソン
(松田聖子主演『サロゲートマザー』にも出演)とは
顔が似ていると常々思っていた。改めて観るとやっぱり似てる!
どこかで姉妹役でもやってほしいものだ。
製作:ロバート・ゼメキス、ジョエル・シルバー
監督:ウィリアム・マローン
歌:マリリン・マンソン
出演:ジェフリー・ラッシュ、ファムケ・ヤンセン、テイ・ディグス、アリ・ラーター、
ピーター・ギャラガー、ブリジット・ウィルソン
http://www.cinematopics.com/cinema/works/output2.php?oid=1423
『エブリデイ イズ バレンタイン / 情迷大話王』 [映画]


香港四天王の1人である黎明(レオン・ライ)と、
張柏芝(セシリア・チャン)が主演を演じるラヴコメディ。
天才的に嘘が上手い男性と、正直な女性が出会い恋に落ちるが・・・。
監督は、香港で有名な王晶(バリー・ウォン)。
くだらな~いコメディを多数作っている監督だが、
今回もくだらないギャグは多々あり・・・。
でも、2人のラヴストーリーに軸を置いているため、素直に楽しめる。
主演の黎明(レオン・ライ)は、いつもクールなイメージが強いが、
この作品の中で見せるコメディは最高!
面白い事をやっているのに、なぜか格好良い!!
今度、陳凱歌(チェン・カイコー)監督が、有名な京劇の女形、
梅蘭芳(メイ・ランファン)の映画を作るらしいが、
このタイトルロールを黎明(レオン・ライ)が演じるらしい。
本当の梅蘭芳(メイ・ランファン)より背も高く、がたいも良いが、
あの涼しげな顔でどういう風に演じるのかが、とても楽しみ!
監督:王晶(バリー・ウォン)
主演:黎明(レオン・ライ)、張柏芝(セシリア・チャン)
http://www.happinet-p.com/jp2/info/release.php?code=BBBF-4244
サー・ディンディン / 薩頂頂 [音楽]


中国人の父親と内モンゴル人の母親のもとに生まれ、
少数民族の音楽やチベット仏教に興味を持ち、
サンスクリット語(梵語)までマスターしてしまった歌手、サー・ディンディン(薩頂頂)。
アジアの様々な楽器を使いながら、独特の声で表現する歌は神秘的!
サンスクリット語やチベット語、そして中国語で表現された歌を聞いていると、
ダイナミックなモンゴルの大草原やチベットの大きな寺院といった壮大な空間を想像してしまう。
サー・ディンディン(薩頂頂)は、まだ23歳だそうだ。
この年齢で既に、オリエンタリズムの独特な世界観をもっているのは素晴らしい!
昔からある中国の伝統楽器と、現代の楽器シンセを上手くミックスし、
アイデンティティを活かしつつ、まったく古くない音楽を創り上げている。
中国人歌手として初めてグラミー賞授賞式に今年招待されたそうだ。
今回、CD世界デビューも果たし、活躍目覚しい彼女の、
これからの更なる飛躍が気になるところだ。
ユニバーサルインターナショナル サー・ディンディン公式サイト
http://www.universalmusicworld.jp/sa_ding_ding/index.html
『Alive』(4分32秒)サンスクリット語ヴァージョン
『女帝(エンペラー) / 夜宴』 [映画]

ウィリアム・シェイクスピアの有名な戯曲『ハムレット』を基にした『女帝(エンペラー) / 夜宴』。
ハムレットが主演ではなく王妃ガートルードが主演の物語となっているが、
今回の映画では、実の母ではなく若い義母という設定に書き換えられている。
王妃ワンは、若さと美貌、そして知性を備えた女性。皇帝の寵愛を受け、妃となった。
しかし、皇帝の実の弟により、夫である皇帝を毒殺され、弟は欲望通り皇帝に即位。
毒サソリに刺され先帝が亡くなったと言われているが、
誰の目から見ても、弟が兄を殺したのは明らかだ。
新帝は、次に実の甥である皇太子の命を狙う。
その先帝の息子である皇太子を密かに愛している王妃は、
皇太子の命を守るため、新帝との結婚を決めるのだった。
新帝と王妃が夫婦となった時から、王妃・新帝・皇太子、
そして皇太子のいいなずけをも巻き込んだ、復讐の陰謀が宮中に渦巻いていく・・・。
なんと哀しい物語だろう。
自分の気持ちを心に秘めながら生きている者たちの話だ。
その中で唯一素直に生きている無垢な魂は、愚かな心を持った者に潰される。
監督の馮小剛(フォン・シャオガン)は、海外マーケットを意識して
章子怡(チャン・ツィイー)をキャスティングしたと自ら言っているが、
内容も、多くの観客を意識した、アクションあり、舞踊ありのエンターテインメントとなっている。
観ていて感じたのは、あまりそういったことに意識を置かず、
もっとストーリーに集中したつくりにした方が良かったのではないかという事。
竹やぶを使ったマーシャルアーツや、色彩やカメラアングルを意識した映像は全く目新しくなく、
全てどこかで観たことがあるものが多い。
登場人物の密接な繋がり、感情をもっと深く描いていたなら
それぞれの登場人物の哀しみが際立ったはずだ。
馮小剛(フォン・シャオガン)にとっては、とてもチャレンジングな作品であると思うが、
もっと彼にしかできないような独創的なものが観たかった。
愛のために行動する章子怡(チャン・ツィイー)ではあるが、
呉彦祖(ダニエル・ウー)演じる皇太子との関係が希薄に観えるため、
なぜあれだけ自分を犠牲にして守るのか、説得力が足りない。
そして、新帝が王妃に対して思っている熱い気持ちもあまり表現されていないのが残念。
3人の関係、結びつきをもっと丁寧に描いていたら、
もう少し、作品に対する印象も変わっていたのではないかと思う。
この作品で凄いのは、美術と衣裳。
シックで色彩を抑えた宮中と、絢爛豪華な衣裳の対比は素晴らしい!
そして、テロップと同時に流れる張靚頴の透明感ある歌声が、
今までの愚かな復讐劇を洗い流してくれるかのようで、
とても清らかな気持ちになる。
でも・・・邦題の『女帝(エンペラー)』ってなんでしょうね?
原題の『夜宴』の方が、雰囲気もあるし意味があって良いと思うんだけれども・・・。
原作:ウィリアム・シェイクスピア『ハムレット』
監督:馮小剛(フォン・シャオガン)
出演:章子怡(チャン・ツィイー)、呉彦祖(ダニエル・ウー)、葛優(グォ・ヨウ)
周迅(ジョウ・シュン)、馬精武(マ・チンウー)、黄暁明(ホアン・シャオミン)
『エンジェルス・イン・アメリカ』 [映画]

エイズやゲイをテーマに、アメリカの現実を描く『エンジェルス・イン・アメリカ』。
この『エンジェルス・イン・アメリカ』は、トニー賞やピュリツァー賞に輝いたトニー・クシュナーの戯曲。
日本でも、日本人俳優によって何回か上演されている作品だ。
ロンドンのナショナル・シアターで「20世紀の最も偉大な戯曲10本」にまで
選ばれている傑作が、アメリカでテレビドラマになり、WOWOWで放送された。
アル・パチーノ、メリル・ストリープ、エマ・トンプソンという名優に交じり、
パトリック・ウィルソン、ジャスティン・カーク、ベン・シェンクマンといった
舞台出身の演技派若手俳優が光っていて、物語に釘付けになる。
エイズやゲイをテーマにしているものの、
人間誰が観ても共感できるような重く大きなテーマが隠れている。
私達人間は、人種が違っても、好みや個性が違っても、
そこは愛すべき点であり、尊重しなければいけない点だ。
そして、地位が違っても、同じ病気にもかかる、同じ人間なのだ。
物語の中に、天使が何度か登場するが、
人生は神によって作られるものではなく、自分で選ぶものだというメッセージが
根底に流れているような気がした。
原作:トニー・クシュナー
監督:マイク・ニコルズ
出演:アル・パチーノ、メリル・ストリープ、エマ・トンプソン
パトリック・ウィルソン、ジャスティン・カーク、ベン・シェンクマン
ジェフリー・ライト、メアリー・ルイーズ・パーカー
http://www.wowow.co.jp/angels/contents.html
『舞妓Haaaan!!!』 [映画]

『舞妓Haaaan!!!』を観に行ってきた。
いや~本当にクドカンワールドは凄い!
宮藤官九郎さんの頭の中を1度覗いてみたい!
作品は、終始ハイテンション!でもホロリとさせる所もある。
舞妓さんの世界はこういう所なのかぁーと 感心する箇所もあり、あっという間の2時間。
私達が知りえない舞妓の世界を、エンターテインメントまで昇華させてのは素晴らしい。
それにしても、主演の阿部サダヲさんは最高だ!
現実味のない設定の部分も、 観客に納得させるだけの力がある!
今回初主演だそうだが、そんな事はまったく感じさせない、楽しい演技の数々だった。
監督:水田伸生
脚本:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ、堤真一、柴咲コウ
小出沙織、京野ことみ、伊東四朗、生瀬勝久、真矢みき、キムラ緑子ほか







